本記事は2026年1月30日(金)に公開を終了します。
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こういうルールで残業時間をカウントしてたから、 フレックスタイム制の勤怠集計は楽だったんですね。
ルールはルールとして理解したうえで、 部長から作成を指示されているレポートは、 うちの会社に法改正のルールをが向いているかどうかでしょ?
そのとおりです。。。
ルールがわかっただけだとなんともなんですよね。。。
フレックスタイム制の法改正のルールだけじゃなくて、 以前一緒に確認した時間外労働の上限規制のルールと 複合的に考える必要があるわね。
あ!
清算期間が違うと時間外労働の計算方法も違ってくるからですね!
そうそう。
わかってきたじゃない!
これでもうレポートは完璧ですね!
すぐ調子に乗るんだから・・・。
目次
1.1ヶ月を超える期間を清算期間に設定することに不向きな会社とは?
1.1ヶ月を超える期間を清算期間に設定することに不向きな会社とは?
(1)結論
月を跨いで労働条件の調整をすることが難しく、恒常的に労働時間が長い会社は、清算期間を1ヶ月超とすることに不向きであるといえます。
(2)理由
その主な理由は、時間外労働時間の上限規制の抵触のおそれがあるからです。
2019年4月1日に施行された時間外労働の上限規制はフレックスタイム制にも適用されます。
全く同じ時間勤務した場合であっても、清算期間の違いにより時間外労働の計上方法が変わり、場合によっては法違反となるおそれがあります。
| 期間 | 法定労働時間を超えて労働させることができる時間 |
|---|---|
| 1ヶ月 | 100時間(※) |
| 2~6ヶ月 | 80時間(※) |
| 1年 | 720時間 |
(※)法定休日労働時間を含む
詳細はTHE jinjer STREET JOUNAL Vol.1をご参照ください。
(3)具体例
清算期間の違いによる労働時間の具体例を下記にてご紹介します。
THE jinjer STREET JOURNAL vol.5でご紹介したとおり、清算期間の違いにより同じ時間勤務した場合であっても時間外労働時間の計上方法が異なります。
①前提条件
以下の通り勤務したものとし、深夜(22:00~翌5:00)の勤務は行っていないものとします。
| 4月 | 5月 | 6月 | |
|---|---|---|---|
| 平日労働時間 | 210.0時間 | 220.0時間 | 185.0時間 |
| 法定休日労働時間 | 0時間 | 0時間 | 10時間 |
②清算期間が1ヶ月の場合
清算期間が1ヶ月の場合は、下記の通り法定外残業および休日労働時間を計上することになりますので、1ヶ月100時間、2~6ヶ月平均80時間のいずれにも抵触しません。
| 4月 | 5月 | 6月 | |
|---|---|---|---|
| 平日労働時間 | 210.0時間 | 220.0時間 | 185.0時間 |
| 法定労働時間の総枠 | 520.0時間 | ||
| 法定外労働時間(a) | 0.0時間(①) | 0.0時間(②) | 95.0時間(③) |
| 法定休日労働時間(b) | 0.0時間 | 0.0時間 | 10.0時間 |
| 法定外+法定休日(c) | 0.0時間 | 0.0時間 | 105.0時間 |
(①)最終月以外なので以下の計算式により単月の法定外労働時間を計算します。
平日労働時間-週平均50時間となる時間(50時間×30日÷7日)
これを計算すると下記の通りとなり、0時間以下となった場合は単月での法定外労働時間の計上は行いません。
210.0時間-214.2時間=-4.2時間
(②)最終月以外なので、上記と同様に計算します。
5月も0時間以下となりますので、単月での法定外労働時間の計上は行いません。
220時間-221.4時間=-1.4時間
(③)最終月なので、以下の計算式により清算期間全体の法定外労働時間を計算します。
清算期間の平日労働時間の合計-清算期間の法定労働時間(40時間×91日÷7日)-4月・5月の法定外労働時間
これを計算すると下記の通りとなり、6月の法定外労働時間は95時間となります。
615.0時間-520時間(40時間×91日÷7日)=95時間
2.まとめ
- 清算期間の違いにより法定外残業の計算方法が異なります。
- 上記によって、恒常的に労働時間が長く、月をまたいでの労働時間の調整がむずかしい会社の場合、法違反のリスクがあることから、清算期間を1ヶ月を超える期間とすることに不向きであるといえます。
一方で、業務フローの改善により月を跨いでの労働時間の調整ができるようになる等うまく運用できれば労働者のワーク・ライフバランスの改善、モチベーションの向上のみならず、人件費抑制の施策としても有効であると考えます。
清算期間の変更をお考えの場合は、上記リスクを踏まえたうえで制度改訂を行うと良いでしょう。
3.次回予告
次回は休日の中でも特に割増率の高い法定休日をどのように定めるかについて、
管理工数、労務リスクの観点からご紹介します。
お楽しみに!!
4.本日の一問一答
お問い合わせ内容
弊社は以下の通りの勤務体系で従業員が勤務しています。
法律では、労働時間が8時間以下である場合、休憩時間は45分で問題はないはずなので、休憩時間を短縮できるのではないかと考えていますがいかがでしょうか?
◆始業 9時00分
◆終業 18時00分
◆休憩 12時00分~13時00分(60分)
業種:その他の産業 従業員規模:15~49名 人事経験:1年未満
回答
労働基準法では休憩時間は以下の通り定められております。
6時間以下:不要
6時間超8時間以下:少なくとも45分
8時間超:少なくとも60分
よって、ご認識の通りお問合せの勤務体系の場合は休憩時間は45分でも法令上問題はありません。
しかしながら、これは全く時間外労働を行わない場合に限って有効なものであって、休憩時間が45分で労働時間が8時間を越えた場合は別途15分の休憩を労働時間の途中に付与する必要があります。
推測にはなってしまいますが、貴社におかれましては、時間外労働が発生することを前提に休憩時間をあらかじめ60分と定めているのではと考えます。
休憩時間を60分付与しているのであれば、その日の勤務が何時間になろうとも法令上のリスクは発生しませんが、労働者健康確保の観点から、長時間にわたり勤務が必要な場合は適宜休憩を付与されてはいかがでしょうか。
現在公開されているTHE jinjer STREET JOURNAL
- Vol.1:時間外労働の上限規制について vol.1
- Vol.2:時間外労働の上限規制について vol.2
- Vol.3:同一労働同一賃金への対応について vol.1
- Vol.4:同一労働同一賃金への対応について vol.2
- Vol.5:フレックスタイム制の清算期間延長について vol.1
- Vol.6:フレックスタイム制の清算期間延長について vol.2
- Vol.7:法定休日の定め方
- Vol.8:年次有給休暇以外の法定休暇と法定外休暇
- Vol.9:今さら聞けない!割増賃金の計算方法
- Vol10:今さら聞けない!社会保険と雇用保険の加入要件の違い
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