本記事は2026年1月30日(金)に公開を終了します。
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休日出勤した社員から残業代の問い合わせが来てましたね。
うちの会社の法定休日ってどうなってるか把握できてる?
う。。。
た、、、確か日曜日だったかと。。。
そんなことでよく今まで給与計算できてたわね。。。
所定休日と法定休日を間違えて給与計算すると、未払いや過払いが発生するのよ!!
特に未払いが発生したら不要な労務リスクを抱えることになるんだから。
すいません。。。 うちの会社の法定休日ってそもそもいつ決まったんでしょう?
もしかしたら今の働き方にそぐわない方法になってたりしないでしょうか。。。
なかなか鋭いわね。 いい機会だから改善案を作ってみてよ。
(やぶへびだったな。。。)
今週末までにお願いね!
目次
1.法定休日とは
法定休日とは、労働基準法で定められた休日をいいます。
労働基準法では、休日について以下の通り定めています。
35条(休日)
使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。
2.前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
法定休日に勤務した場合は、35%以上の割増賃金を支払う必要があります。
2.1週1休制と4週4休制について
1週1休制と4週4休制の関係は以下の通りとなります(昭和22年9月13日発基17号)
原則:1週間に1日の法定休日の付与
例外:4週間に4日の法定休日の付与
シフトを作成する場合や、給与計算を行うときに、1週間に1日の法定休日を付与していない場合であっても、「うちは4週4休制だから25%の割増だけで支払えば問題ない」という声をよく聞きますが、本当に問題はないのでしょうか?
(1)1週1休制とは
1週間に特定の1日を休日と定めるのでとてもシンプルにどこが法定休日かを判断することが可能です。
以下は週の起算日が日曜日の場合の法定休日の設定例です。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 法休 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 所休 |
(2)4週4休制とは
4週間に4日の法定休日を定めているものをいいます。
4週間に4日の法定休日なので、週によっては1日も法定休日がない週がある場合もあります。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 法休 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 所休 |
| 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 所休 |
| 法休 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 法休 |
| 法休 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 出勤 | 所休 |
(3)4週4休制の問題点
①工数管理の観点からの問題点
繁忙期では必ずしも1週間に1日の休日を確保できない事情もあることから、4週4休制は非常に便利な制度であると考えることができます。
しかしながら、4週4休制はあくまで「4週間に4日の休日を付与すること」であり、決して「1ヶ月で4日の法定休日が確保されていれば良い」というものではありません。
多くの会社では、給与計算の期間は1ヶ月と定めており、給与計算期間と4週間という期間にずれが生じ、管理が非常に煩雑になり、その結果給与未払いが生じやすいという問題点があります。
■の期間で4日間、■の期間で4日間、■の期間で4日間それぞれ休日を確保する必要があります。
②従業員の健康管理上のリスク
4週4日制は、必ずしも1週間に1日の休日を設定するわけではないので、繁忙期等は連続出勤が起きがちです。
適法に運用できている場合であっても、従業員の健康管理上のリスクの観点から休日の設定を行う必要があります。
3.法定休日を定めないことによるリスク
(1)労務リスク
法定休日を特定の曜日として定めない場合、法定休日は以下の通りです(説明の都合上、週の起算日を日曜日、休日は土曜日および日曜日とします)。
①土曜日:休み/日曜日:休み
労働基準法が求める週1日の休日を日曜日に与えているので、日曜日が法定休日として取扱われます。
②土曜日:休み/日曜日:出勤
①同様、この場合は土曜日が法定休日になります。
③土曜日:出勤/日曜日:出勤
週の起算日が日曜日の場合、降順に位置する土曜日の労働を法定休日労働として取扱う必要があります。
(出典:厚生労働省「改正労働基準法に係る質疑応答」)
法定休日を定めていない場合で、以下の通り勤務したときは土曜日と日曜日のどちらを35%増しとするか労使間の認識齟齬によりトラブルが生じやすくなります。
(2)給与計算工数のリスク
法定休日を特定の曜日と定めていた場合は、単純にその特定の曜日に勤務した時間を35%割増す作業のみとなりますが、定めていない場合は、連続勤務の状況等をつぶさに確認するという工数が生じます。
更に、4週4休制の場合は上記の通り給与計算期間を跨いだ期間の確認も必要になるため、ここも工数となります。
4.どのように法定休日を定めればよいか
法定休日を定める場合は以下のプロセスで行うと良いでしょう。
(1)1週間の起算日を特定する
1週間の起算日は就業規則等で特に規定しない場合は暦どおり「日曜日」となります。
土日休みの会社では、金曜日までに仕事が終わらなかった場合は、土曜日に出勤を命ずることになります。
土曜日に出勤をした場合、振替休日は別の週に取得せざるを得なくなり、この分の割増賃金の支払が必要になります。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シフト | 法休 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 所休 |
| 実労働 | 法休 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 |
例えば、土曜日を週の起算日とした場合、月曜日以後の5日間で振替休日を取得できる余地があり、同一週内で振替休日を取得できた場合は上記の割増賃金の支給が不要になります。
1週間の起算日は業務の特性等により決定すると良いでしょう。
| 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シフト | 所休 | 法休 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 |
| 実労働 | 8時間 | 法休 | 8時間 | 振休 | 8時間 | 8時間 | 8時間 |
(2)法定休日を特定する
①全社共通で休日が定められている場合
全社共通で休日が定められている場合は、特定の曜日を法定休日とすることで前述の労務リスクや給与計算工数リスクを低減できます。
業務特性上、従業員が出勤することが少ない曜日を定めると良いでしょう。
また、人件費やワーク・ライフ・バランスの観点から、休日出勤を申請承認制とすることも多くの会社で取り入れられています。
②シフトにより個々人で休日が異なる場合
シフトにより個々人で休日が異なる場合であっても、法定休日を特定することで上記リスクを低減することができます。
シフトを作成する際にあらかじめ「出勤日」「所定休日」「法定休日」を定めると良いでしょう。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
| 従業員A | 早番 | 早番 | 遅番 | 遅番 | 所休 | 法休 | 早番 | 早番 | 早番 | 遅番 | 遅番 | 所休 | 法休 | 早番 |
| 従業員B | 法休 | 遅番 | 早番 | 早番 | 早番 | 所休 | 法休 | 遅番 | 遅番 | 早番 | 早番 | 早番 | 所休 | 法休 |
(3)就業規則の改訂・届出
ルールが定まったら就業規則の該当条文を変更し、所定の手続を経て所轄労働基準監督署への届出を行います。
以下は休日に関する就業規則の規定例です。
第●●条(休日)
休日は以下の通りとし、1週間の起算日は土曜日とする。
(1)土曜日
(2)日曜日
(3)祝祭日
(4)その他会社の定める日
2.前項の休日のうち、法定休日は土曜日とする。
5.まとめ
- 法定休日については、労働者に対する労働条件の明示や割増賃金の工数削減の観点から、厚生労働省も就業規則等で明確にしておくことが望ましいとしています(平成21年5月29日基発第0529001号)。
- 1週1休制、4週4休制のどちらを選択する場合であっても、適法に運用されているのであれば法的な問題はクリアできると考えられますが、どちらを選択するかについては、現状の給与計算工数等を踏まえ慎重に決定する必要があります。
- 法定休日を就業規則等で特定することは、労務リスク・給与計算管理工数のリスクから必要なことであると考えられますが、どの曜日にするかについては、現状を踏まえ慎重に決定する必要があります。
6.次回予告
次回は年次有給休暇以外の法定休暇と法定外休暇について、どのようなものがあり、どのようなルールに基づいて運用している、されなければならないかをご紹介します。
お楽しみに!!
7.本日の一問一答
お問い合わせ内容
労働条件通知書をメールで送付することができるようになったと聞きましたが、どのようなことに気をつけなければならないか教えてください。
業種:不動産業、物品賃貸業 従業員規模:300~499名
人事経験:5年以上10年未満
回答
労働条件通知書は長らく書面での交付のみが認められておりましたが、2019年4月1日より以下要件を満たした場合にファクシミリおよび電子メール等での明示が認められるようになりました。
よって、お問い合わせの気をつけなければならないことは、下記要件を満たした形で労働条件通知書を交付することとなります。
なお、明示する内容は法改正前後で変更はありません。
1.労働者本人の希望があること
2.電子メール等の送信方法によること
3.書面での出力が可能であること
1.労働者本人の希望があること
口頭同意でも足りると解されていますが、後日の労使間トラブルを防止する観点からメール等で労働者本人が希望する旨のエビデンスを残すことが望ましいとされています。
2.電子メール等の送信方法によること
労働基準法施行規則では、受信する者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法と定められています。
これは、労働条件通知書を交付する労働者を特定して、その本人のためだけに送信されることであり、EメールやGmail等のwebメール、LINEやFacebook messenger等のSNSメッセージ機能がこれに該当し、第三者に閲覧させることを目的としている労働者のブログや個人のホームページへの書き込みによる明示は該当しないとされています。
また、SMS(ショートメールサービス)等による明示は禁止されていませんが、PDF等のファイルが添付できず、文字数制限もあるため、望ましい状態ではないとされています。
3.書面での出力が可能であること
労働者の個人的な事情によらず、一般的に出力可能な状態であれば、出力して書面を作成できると認められています。
印刷や保存がしやすいよう、PDFファイルを添付する等大多数が対応可能な方法で送付すると良いでしょう。
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