本記事は2026年1月30日(金)に公開を終了します。
HRに関するトレンド情報は、情報メディア「HR NOTE」をご利用ください。
この前契約更新をしたパートさんの社会保険手続きを漏らしてしまいました。
そのせいで、年金事務所からは注意されるし、パートさんには説明をしなきゃいけないしで大変でした。。。
週の所定労働日数が3日から4日に変更になったパートさんのことね。
パートさんは労働条件の変更があるたびに保険の加入要件を満たしているかどうか確認しないとダメよ!
はい!
契約更新のフローから社会保険の加入を確認する手順を追加しています!
社会保険だけでいいのかしら?
週の所定労働日数や、労働時間によっては雇用保険の加入も確認しないと!
社会保険と雇用保険は加入要件が違うから、毎回その確認をしないと遡及処理に手間取ることになるわよ!
たしかに、パートさんの契約内容によっては雇用保険の手続も発生しますね。
念のため、全パート社員の社会保険と雇用保険が正しく処理されているか確認をしてみて!
かしこまりました!
社会保険は年金事務所から加入要件を教えてもらえたので確認できるのですが、雇用保険の要件がわかっていないので教えてください!
仕方ないわね。。。
目次
1.社会保険とは?
社会保険とは、一般的には広義の社会保険と狭義の社会保険に分類して説明されます。
日本では、すべての国民が何らかの公的医療保険、年金保険に加入することが義務付けられており、この公的医療保険、年金保険、労働保険を合わせたものを広義の社会保険といいます。
一方で、狭義の社会保険とは、前述の広義の社会保険のうち、医療保険である健康保険(介護保険を含みます)と厚生年金保険を指します。
今回ご紹介させていただくのは、狭義の社会保険と雇用保険の加入要件の違いについてです。
2.社会保険と雇用保険の違い
(1)健康保険とは
健康保険とは、加入者の業務上または通勤中以外にけがや病気をしたとき、この怪我や病気で一定期間以上働けないとき、加入者の出産や死亡に対して必要な給付を行います。
また、加入者の扶養者のけがや病気にも一定の保険給付が行われます。
保険料は、加入者と事業主(≒会社)が折半し、事業主が保険者に納付を行います。
事業主は、加入者との折半額を月々の給与や賞与から天引きを行います。
(2)介護保険とは
介護保険とは、介護が必要な加入者(要支援者・要介護者)に必要な介護サービスを給付する制度です。
65歳以上を第1号被保険者、40歳以上64歳未満を第2号保険者となり、39歳未満は被保険者とはならず、保険料の支払義務はありません。
保険料は、第1号被保険者は原則年金からの天引き、第2号被保険者は健康保険と同様で、毎月の給与や賞与から天引きを行います。
(3)厚生年金保険とは
厚生年金保険とは、加入者が一定の年齢になったとき、障害者になったとき、亡くなったときに、加入者またはその遺族に必要な保険給付を行うものです。
保険料の取扱いは、健康保険と同様で、毎月の給与や賞与から天引きを行います。
(4)雇用保険とは
雇用保険は、加入者が失業したとき、雇用の継続が困難となる事由が生じたときや、加入者自ら職業に関する教育訓練を受けた場合等に必要な給付を行うものです。
保険料は、加入者と事業主が負担することと、毎月の給与や賞与から天引きすることは社会保険と同様ですが、保険料の負担割合は折半ではなく、事業主の負担割合の方が多くなります。
3.加入要件の違い
(1)社会保険の加入要件
①事業所の加入要件
個々の従業員が社会保険の加入要件を満たすか否かを判断するためには、まずその従業員が勤務する事業所が社会保険の加入要件を満たしているか否かを確認する必要があります。
まずは、事業所の加入要件を確認しましょう。
| 事業所 | 詳細 |
|---|---|
| 強制適用事業所 | 国または法人の事業所 →従業員の数に関わらず加入が必要 |
| 上記以外の適用業種である事業所 →常時従業員を5名以上使用している場合加入が必要 | |
| 任意適用事業所 | 強制適用事業所以外で厚生労働大臣の認可を受けた事業所 |
②個々の従業員の加入要件
強制適用事業所または任意適用事業所に勤務する従業員のうち、雇用形態にかかわらず、週の所定労働時間が正規従業員の4分の3以上の場合は社会保険に加入させる必要があります。
また、週の所定労働時間が正規従業員の4分の3未満であっても、社会保険の加入者数が501人以上で勤務しており、以下のすべての要件を満たす場合は社会保険への加入が必要です。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 雇用期間が1年以上見込まれること
- 賃金の月額が8.8万円以上であること
- 学生ではないこと
上記加入要件を満たした場合であっても、法令で定める適用除外の要件を満たした場合は社会保険の加入者とされません。
| 加入者とされない人 | 加入者となる場合 |
|---|---|
| 日々雇入れられる人 | 1ヶ月を超えて引き続き試用されるようになった 場合は、その日から加入者となります。 |
| 2ヶ月以内の期間を定めて使用される人 | 所定の期間を超えて引き続き使用されるようになった 場合は、その日から加入者となります。 |
| 所在地が一定しない事業所に使用される人 | いかなる場合も加入者になりません。 |
| 季節的業務(4ヶ月以内)に使用される人 | 継続して4ヶ月を超える予定で使用される場合は、 当初から加入者となります。 |
| 臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)に 使用される人 |
継続して6か月を超える予定で使用される場合は、 当初から加入者となります。 |
(2)雇用保険の加入要件
①事業所の加入要件
雇用保険は社会保険と異なり、法人・個人を問わず従業員(パート・アルバイトを含みます)を1人でも雇用している事業所であれば、その事業所は雇用保険に加入しなければなりません。
(例外:個人経営かつ労働者数5人未満の農林水産の事業)
②個々の従業員の加入要件
個々の従業員は以下の要件をすべて満たしている場合、雇用形態に関係なく雇用保険に加入させる必要があります。
- 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
(3)加入要件の違い
上記加入要件の違いをまとめると以下のとおりとなり、雇用保険の方が加入の間口が広いことがわかります。
①事業所の加入要件
| 社会保険 | 雇用保険 |
|---|---|
|
◆強制適用事業所 ◆任意適用事業所 |
従業員を1人でも雇用している事業所 |
②個々の従業員の加入要件
| 社会保険 | 雇用保険 |
|---|---|
| 原則週の所定労働時間が正規従業員の4分の3以上 | ・31日以上引き続き雇用されることが 見込まれること ・週の所定労働時間が20時間以上であること |
4.まとめ
社会保険と雇用保険では加入要件が異なり、雇用保険の方が加入にかかるハードルが低いということがわかります。
一般的な会社では、正社員は社会保険も雇用保険も加入することになります。
一方で、パート・アルバイトとして勤務する従業員については、労働条件や就業の実態でどの保険に加入させなければならないかということを個々の労働者ごとに確認する必要があります。
しっかりとそれぞれの加入要件を把握したうえで未加入の状態にならないようにしましょう。
5.次回予告
次回は「今さら聞けない!1ヶ月単位の変形労働時間制の残業カウント」についてご紹介します!
お楽しみに!
6.本日の一問一答
お問い合わせ内容
私傷病で休職している従業員の年次有給休暇の出勤率はどのように考えればよいですか?
業種:運輸業、郵便業 従業員規模:500~999名
人事経験:3年以上5年未満
回答
私傷病(=従業員の責に帰す事由による傷病)が理由の欠勤であれば、出勤日に含めることは不要です。
出勤率とは、全労働日÷出勤日数×100で算出することが可能です。
全労働日とは、就業規則等で定める所定労働日をいいます。
通達では、全労働日の取扱いについて、労働者に責があるか否かで算入の可否を判断するとしています。
よって、私傷病による欠勤日は労働者の責によるものになりますので、全労働日に含め、出勤日には含まないこととなります。
一方で、貴社就業規則等で休職期間を出勤日に含める旨の記載がある場合は、法を上回る措置としてそちらを優先することになりますので、まずは就業規則等をご確認いただき、休職期間を出勤日に含める旨の記載の有無をご確認いただくことからスタートされてはいかがでしょうか。
現在公開されているTHE jinjer STREET JOURNAL
- Vol.1:時間外労働の上限規制について vol.1
- Vol.2:時間外労働の上限規制について vol.2
- Vol.3:同一労働同一賃金への対応について vol.1
- Vol.4:同一労働同一賃金への対応について vol.2
- Vol.5:フレックスタイム制の清算期間延長について vol.1
- Vol.6:フレックスタイム制の清算期間延長について vol.2
- Vol.7:法定休日の定め方
- Vol.8:年次有給休暇以外の法定休暇と法定外休暇
- Vol.9:今さら聞けない!割増賃金の計算方法
- Vol10:今さら聞けない!社会保険と雇用保険の加入要件の違い
プレミアムプランのご案内
jinjerでは日々の労務問題や会社のルール・運用について、
専任の社労士がコンサルテーションを行う『プレミアムプラン』をご用意しています。
今回ご紹介した内容だけでなく、労務管理に関する様々なお悩みを解決し、
jinjerご利用のお客様の労務管理を円滑にするためのサポートをしております。
プランの内容等は営業担当者またはサポート担当者へお気軽にお問い合わせ下さい!
THE jinjer STREET JOURNALへのご要望・ご意見はこちらまで!
THE jinjer STREET JOURNALにこんな話題を掲載して欲しい!プレミアムプランの詳細な案内をして欲しい!等のご要望・ご意見は下記フォームにて承っております!