本記事は2026年1月30日(金)に公開を終了します。
HRに関するトレンド情報は、情報メディア「HR NOTE」をご利用ください。
中途入社の方から、「お昼休憩が45分なのはおかしい」と問い合わせがありました。
休憩時間が45分である理由をして、納得していただけました!
今回は自力で説明ができたのね!
原因は、前職のお昼休憩が60分だったようね。
休憩時間にどんなルールがあるかまで理解できている方は少ないんじゃないかしら?
そうですね。
実は、私も休憩時間のルールについて、ちゃんとわかっていません・・・
休憩に関しては、労働基準法でいろいろルールが定められていて、企業はそれに基づいて休憩のルールを定めているのよ!
今回はたまたま理解している部分だったから良かったけど、 他のルールに関する質問を受けたときは、 また誰かに頼らないといけなくなってしまうわね。
はい・・・。
これを機に休憩に関する法令上のルールを理解したいので、教えて下さい!
そうね!
本来であれば、一旦自分で調べてほしいところだけど、今回は独力で問い合わせ対応ができたから特別よ!
ありがとうございます!
目次
1.休憩とは
(1)休憩の定義
休憩とは、ある程度労働時間が継続した場合に蓄積される労働者の心身の疲労を回復させるため、労働基準法で使用者(≒会社)が労働者に与えることを義務付けたものです。
行政解釈では、下記の通り定めています。
休憩時間とは単に作業に従事しない手待ち時間を含まず、労働者が権利として労働から離れることを保証されている時間の意である。」(昭22・9・13発基第17号)
すなわち、労働基準法第34条に定められている休憩時間は、労働者が権利として労働から離れることが保障された時間であり、使用者から就労命令を受けることなく、その指揮命令という支配下から完全に開放されている時間をいいます。
(2)手待ち時間の取扱い
休憩とは、上記の通り、労働から離れうことが保障された時間であることから、現実に作業はしていなくとも、使用者からの就労の要求があれば直ちに就労しうる体制で待機している時間(手待ち時間)は休憩時間ではなく、労働時間として取扱う必要があり、別途休憩を与える必要があります。
手待ち時間の具体例
- 休憩時間中の来客受付対応や電話番
- 店舗でお客が来るのを待っている時間
- 貨物の積込係が貨物自動車の到着を待っている時間
2.休憩のルール
休憩は、法令で定められたルールに則り与える必要があります。
(1)休憩の長さ
労働基準法では、1日の労働時間の長さにより以下のとおり休憩を与えることが義務付けられています。
| 1日の労働時間 | 休憩時間 |
|---|---|
| 6時間以下 | 不要 |
| 6時間超8時間以下 | 少なくとも45分 |
| 8時間超 | 少なくとも60分 |
これによれば、1日何時間勤務しても60分の休憩を与えてさえいれば、違法ということにはなりません。しかしながら、長時間勤務は健康に影響を与えたり、生産性が低下したりすることから、適宜休憩を与える運用をされる企業も少なくありません。
多くの企業では、所定労働時間が8時間であることから、法の最低限のルールでは45分の休憩を与えれば良いことになります。
しかしながら、これらの企業であっても休憩時間を60分と設定しているところが多いと考えられます。これは、休憩時間を45分としていると、残業を1分でも行おうとする場合、残業前に少なくとも15分の休憩を与えなければならないことに起因しています。
なぜ残業前に休憩を与えなければならないか、については後述しています。
(2)休憩の位置
①労働時間の途中であること
労働基準法第34条では、休憩は労働時間の途中に与えなければならないとしています。
よって、9時始業の企業で、9時から10時を休憩とし、出社を10時とすることや、18時終業の企業で、17時から18時を休憩とし、退勤を17時とすることは認められていません。
②休憩の回数
労働基準法では、休憩の回数に関するルールは定められていません。
よって、他のルールを守ってさえいれば、複数回に分けて与えることも許されることとなります。
(3)一斉付与
①原則
労働基準法第34条では、休憩は原則として一斉に与えなければならないと定めています。
一斉の範囲は、事業所単位です。
よって、1つの事業所で事務所と工場がある場合に、それぞれ違う時間帯に事務所で一斉に休憩を与え、工場で一斉に休憩を与えることは違法な状態であるといえます。
原則的な考え方では、事務所と工場で同じ時間帯に一斉に休憩を与える必要があることになります。
②一斉休憩の適用除外
上記のルールはあれど、一斉に休憩を与えることが難しい、または困難な場合について、2つのパターンで原則的なルールの適用を除外することができるようになっています。
◆法令等により一定の業種が適用除外する場合
労働基準法施行規則に定められている以下の業種は後述の労使協定を締結することなく、一斉休憩の適用が除外されます。
- 運輸交通業
- 商業
- 金融広告業
- 映画・演劇業
- 通信業
- 保健衛生業
- 接客娯楽業
- 官公署
◆労使協定を締結することにより適用除外とする場合
上記の業種以外であっても、労使協定を締結することにより、一斉休憩の適用を除外することが可能です。
なお、この労使協定は労働基準監督署への届出は不要です。
この労使協定には以下の事項を定める必要があります。
・一斉に休憩を与えない労働者の範囲
・その労働者に対する休憩の与え方
以下に労使協定の具体例を記載しますので、ご参考ください。
|
一斉休憩の適用除外に関する協定書 株式会社◯◯◯◯と従業員代表◯◯◯◯とは、一斉休憩の適用除外に関し、次の通り協定する。 事業場における全従業員とする。 第2条(休憩時間) 休憩は一斉に付与せず、11時00分から14時00分の間に60分の休憩を取得するものとする。 第3条(有効期限) 本協定の有効期限は、△△△△年△△月△△日から△△△△年△△月△△日とする。 ただし、有効期間満了の1ヶ月前までに、労使いずれからも意義の申し出がない場合、
協定締結日△△△△年△△月△△日 株式会社◯◯◯◯ 代表取締役 ◯◯◯◯ 印 株式会社◯◯◯◯ 従業員代表 ◯◯◯◯ 印 |
一斉休憩の適用除外に関するルールが定められていない企業で、新たにこのルールを導入する場合、就業規則の改訂も必要になります。
これは、休憩が就業規則に必ず記載されていないとならない事項(絶対的必要記載事項)であることによります。
以下に就業規則の具体例を記載いたしますので、ご参考ください。
|
第◯条(休憩) 休憩時間は12時00分から13時00分の1時間とする。 2.前項の定めにかかわらず、従業員代表と労使協定を締結した場合は、休憩を一斉に付与しないことがある。 3.前項の場合、締結した労使協定を就業規則に添付して就業規則の一部として、就業規則に定めのない項目は、当該協定の定めるところによる。 |
(4)自由利用
労働基準法第34条では、「使用者は・・・休憩を自由に利用させなければならない」と定めています。
では、休憩時間中に労働者は自由に何をしてもよいのでしょうか?
答えは否です。
行政通達でも「休憩時間の利用について事業場の規律保持条必要な制限を加えることは、休憩の目的を害わない限り差し支えないこと。」(昭22・9・13基発17号)としています。
具体的には、下記のような行為を制限することは差し支えないとされています。
- 施設を汚したり、会議場を無断で使用したりすることを企業施設管理の観点から制約すること
- 休憩時間中に賭博行為をすることを企業秩序維持の観点から制約すること
また外出についての許可制についても、「事業場内において自由に休息しうる場合には必ずしも違法にはならない。」(昭23・10・30基発1575号)としています。
3.まとめ
普段何気なく取得している休憩にも様々な制約があることがわかりました。
- 休憩の長さ
- 休憩の位置
- 一斉付与
- 自由利用
従業員に適正に休憩を取得させないことは、労働時間が延長され、場合によっては未払賃金が発生するといったリスクを孕んでいます。
これを機に休憩のルールの確認・見直しを行ってはいかがでしょうか。
4.次回予告
次回は今さら聞けない電子申請義務化についてご紹介します。
お楽しみに!!
5.本日の一問一答
お問い合わせ内容
従業員が年次有給休暇を取得した際、弊社では前年度付与分から消化を行っています。
当年度付与分から消化を行っても問題ないでしょうか?
業種:建設業 従業員規模:300~499名
人事経験:5年以上10年未満
回答
年次有給休暇の取得順序については、法令等で定められたルールはありません。
よって、前年度不要分と当年度付与分のどちらから消化させたとしても違法ではありません。
ただし、すでに前年度付与分からの消化が企業の制度として定着している場合、当年度からの消化とすることは、不利益変更となります。
制度を変更する場合は、個々の従業員様への同意を取り付けた上でしっかりと規定化する必要があると考えます。
現在公開されているTHE jinjer STREET JOURNAL
- Vol.1:時間外労働の上限規制について vol.1
- Vol.2:時間外労働の上限規制について vol.2
- Vol.3:同一労働同一賃金への対応について vol.1
- Vol.4:同一労働同一賃金への対応について vol.2
- Vol.5:フレックスタイム制の清算期間延長について vol.1
- Vol.6:フレックスタイム制の清算期間延長について vol.2
- Vol.7:法定休日の定め方
- Vol.8:年次有給休暇以外の法定休暇と法定外休暇
- Vol.9:今さら聞けない!割増賃金の計算方法
- Vol10:今さら聞けない!社会保険と雇用保険の加入要件の違い
- Vol11:今さら聞けない!1ヶ月単位の変形労働時間制の残業カウント
プレミアムプランのご案内
jinjerでは日々の労務問題や会社のルール・運用について、
専任の社労士がコンサルテーションを行う『プレミアムプラン』をご用意しています。
今回ご紹介した内容だけでなく、労務管理に関する様々なお悩みを解決し、
jinjerご利用のお客様の労務管理を円滑にするためのサポートをしております。
プランの内容等は営業担当者またはサポート担当者へお気軽にお問い合わせ下さい!
THE jinjer STREET JOURNALへのご要望・ご意見はこちらまで!
THE jinjer STREET JOURNALにこんな話題を掲載して欲しい!プレミアムプランの詳細な案内をして欲しい!等のご要望・ご意見は下記フォームにて承っております!