本記事は2026年1月30日(金)に公開を終了します。
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なんだか最近先輩忙しそうですね。何かあったんですか?
いつでも忙しいわよ!
実は、今年の6月からのパワハラ防止対策の法制化に向けて社内で就業規則を見直そうという動きがあるのよ。
私がその担当をしているの!
パワハラ防止対策の法制化・・・??
パワーハラスメントについて明確化しないことは労使間にとって大きな問題を引き起こしかねないわ。
今後はより一層パワーハラスメントについて明確化していくことが大切よ。
確かに最近パワーハラスメントに関するニュースをよく見る気がします!
そうでしょ?一言でパワハラと言ってもその内容は意外と複雑なの。
まずは法改正の概要から一緒におさらいしていきましょう。
目次
1.法改正の概要
2.パワーハラスメントとは
3.事業主に課される対応
4.まとめ
5.次回予告
6.本日の一問一答
1.法改正の概要
(1)概要
労働施策総合推進法が改正され、事業主にパワーハラスメント防止措置等の実施が義務付けられます。
(2)施行日
2020年6月1日
※中小企業は2022年3月31日までは努力義務
2.パワーハラスメント
(1)概要
パワーハラスメントとは、以下のすべてを満たしたものを指します。
・職場での優位性を背景としていること
・業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動を行うこと
・労働者の就業環境を害すること
(2)優越的な関係を背景とした言動とは
会社の業務を行うにあたって、言動を受ける労働者が行為者に対して抵抗または拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものを指します。
②同僚またはは部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
③同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの
(3)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動とは
社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、またはその態様が相当でないものを指します。
(4)労働者の就業環境が害されるとは
行為者の言動により、それを受ける労働者が 身体的または精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、 能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。
この判断に当たっては、 「平均的な労働者の感じ方」、すなわち同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当であるとされています。
3.事業主に課される対応
事業主には以下の措置を講ずることが義務付けられます。
(1)職場におけるパワーハラスメントの防止のために講ずべき措置
①事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発
・職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、
労働者に周知・啓発すること
・行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、
労働者に周知・啓発すること
②相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
・相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
・相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること
③職場におけるパワーハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応
・事実関係を迅速かつ正確に確認すること
・パワハラの事実が確認できた場合、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
・パワハラの事実が確認できた場合、事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと
・パワハラの事実が確認できた場合および確認できなかった場合であっても、
再発防止に向けた措置を講ずること
④その他
・相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、
その旨労働者に周知すること
※プライバシーとは、性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報も含みます。
・相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、
労働者に周知・啓発すること
(2)事業主に相談等をした労働者に対する不利益取扱いの禁止
事業主は、 労働者が職場におけるパワーハラスメントについての相談を行ったことや 雇用管理上の措置に協力して事実を述べたことを理由にする解雇その他不利益な取扱いをすることが法律上禁止されます。
下記は義務付けられた対応ではなく、責務の趣旨を踏まえ、望ましい取り組みとして積極的に対応が求められているものです。
(1)職場におけるパワーハラスメントを防止するための望ましい取組み
①セクハラ、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント等と一元的に相談に応じることのできる体制の整備
②職場におけるパワハラの原因や背景となる要因を解消するための取組
③必要に応じて、労働者や労働組合等の参画を得つつ、アンケート調査や意見交換等を実施するなどにより、雇用管理上の措置の運用状況の的確な把握や必要な見直しの検討等に努めること
(2)自らの雇用する労働者以外の者に対する言動に関し行うことが望ましい取組み
①職場におけるパワハラを行ってはならない旨の方針の明確化等を行う際に、他の事業主が雇用する労働者、就職活動中の学生等の求職者、労働者以外の者(個人事業主などのフリーランス、インターンシップを行う者、教育実習生等)に対しても同様の方針を併せて示すこと
②雇用管理上の措置全体も参考にしつつ、適切な相談対応等に努めること
(3)他の事業主の雇用する労働者等からのパワーハラスメントや顧客等からの著しい迷惑行為に関し行うことが望ましい取組み
①相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
②被害者への配慮のための取組(メンタルヘルス不調への相談対応、行為者に対して1人で対応させない等)
③被害防止のための取組(マニュアル作成や研修の実施等、業種・業態等の状況に応じた取組)
4.まとめ
パワーハラスメントに限らず、あらゆるハラスメントは従業員の就業環境を害するだけではなく、 労働生産性の低下、離職率の増大、ひいては採用競争力の低下等会社にとって悪影響しかもたらしません。
今回は、法の規制により対応が義務付けられるものを中心に紹介致しましたが、より従業員が働きやすい環境を整えることも人事部門の責務の一つであると考えます。
これを機に社内のハラスメントを撲滅するための方策を検討されてはいかがでしょうか。
5.次回予告
次回は「計画年休制度について」ご紹介します。
お楽しみに!
6.本日の一問一答
お問い合わせ内容
弊社は従業員が10人未満の会社です。
この場合、就業規則の作成義務はないと聞いたことがありますが、作成しなくてよいのでしょうか?
業種:情報通信業 従業員規模:14名以下
人事経験:1年未満
回答
労働基準法第89条では、 「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届出なければならない」旨定めています。
よって、法令上はご質問のとおり 作成・届出義務はありません。
一方で、就業規則とは労働条件や会社のルールを定めたものであり、このルール等が明確にされていないと、労使間のトラブルが発生しやすくなることも考えられます。
法令上の義務がない場合であっても、労使間のルールを明確にし、労使間トラブルを未然に防止する観点から作成されることをおすすめいたします。
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